なんで幸村が風子のことを覚えてたのか謎。
という感想を結構見かけるなぁ。感想サイトの10件に1件くらいの割合で。


みんなが忘れていくのは、『風子』そのものではなくて、あの幽体状態で出現した風子と、それに纏わる記憶なのです。そのタイミングで風子を知った人の中からは風子の記憶は消えますが、それ以前に風子を知っていれば"それ以前に知った分のことだけ"は覚えている。風子自体が消えるのではなく、あの幽体風子のみが消える。
公子さんに妹がいて、それが風子という名前だったということは、幽体風子関係なく元から存在していることなので、それ(公子さんに妹がいること)を幸村が覚えているのは何らおかしくない。渚が「風子ちゃん」と名前を思い出したのも、元から渚は公子さんの妹の名前が風子だと知っていたから。(「ふぅちゃん」ではなく、「風子ちゃん」というのが上手いですね。「ふぅちゃん」という呼び名は幽体風子に会ってから得た記憶なので、その呼び名は失われている)
風子はそれを自覚していたからこそ、三井さんに「誰それ」と言われた場面で、あそこまでショックを受けてたのかなー、とちょっと思った。(「最悪じゃないです、自然なことです」という方向の受け流しで、他の全てにはここのように走り出すほどのショックは受けなかったのに)。
「風子だよ風子!」と朋也は叫んでいたけれど、『伊吹』って名字出してたら、もしかしたら変わってたのかも。


で、幸村が「他にも誰か」のところで「妹じゃないかの」という発想に至るのは、幸村と公子さんの仲、ならびに幸村の洞察力&観察力を鑑みて、
「妹が事故で入院していたままじゃ公子さんは結婚しないのではないか」 → 「公子さんが結婚する、=妹は回復したかも?」 → 「じゃあその誰かって、妹じゃないかな?」
という過程があったんじゃないかなー、と思う。幸村なら、そこまで考えてそうだし(何も考えて無さそうに見えるけど)。