エースコンバット6

・「天使とダンスでもしてな!」

・全然買うつもり無かったけど、中古2500円くらいという奇跡みたいな値段で売っていたのでつい購入。
・1日中やってた。平日は、家帰ってきてからずっとやってた。そして3日ほどで越した。
・『エースコンバット』シリーズは、プレイステーションの最初の『1』以来、約10年ぶり。友人の家でやった『1』があまりにも面白くてプレステ購入に踏み切ったという経緯がありながらも2以降をガン無視していたのは、戦闘機とか挙動とか兵器とかがリアルになっても何も面白くないなーと思っていたコトと、プレイの楽しさの底が『1』で見えてきてしまった――要するに、デザイン的に完了してしまっているように思えたからだ。言うなればパワプロとかダビスタとかと一緒で、変化はあるけど大元の部分はずっと一緒なんだろうなー、面やデータが違うというのが最大の変化になっちゃうんだろうなー、という。
・戦闘機の名前をひとつも知らない俺なんかからすると、その辺のリアリティーは逆にいらないもの、というより"面倒くさい"と思えてしまうものだったりした。変にフライトシミュレーターっぽくなってたらヤダなと。まあそれはただの危惧観測で、実際はかんたん操作で快適フライトを楽しめる(2〜5は知らないが)のですが、ゲームプレイの面白さは、やっぱ思ったとおり『1』の時点で固まっていた模様。
・敵を見つけてロックオンしてミサイル撃って、敵にロックオンされたら旋回してやり過ごす、その繰り返し――簡略化して言えばそんな感じで、実際にこの『6』もやっていることは『1』と変わりない。つまらない、って程でもないのだが、あまり楽しくはない。ただ、つまらなくはない。楽しさの強度が低いが、持続性は高いのだ。
・前者に付け加え、地上攻撃目標がやけに多いので、バルカン使って地面近くを飛びソレを一掃するという楽しさがフューチャーされてはいる。が、楽しさの瞬間的強度は高いが、持続力はちょい低い。端的に言うと、地上目標へのバルカン攻撃(ならびにミサイル攻撃)は、飽きが早い。序盤は凄い楽しいのだが、中盤以降の対地戦はちょっと飽きてくる。ラストミッションのソレくらいにダイナミックならば心躍らされるのだけど。
・で、結局面白いのかというと、『すごい面白い』。
・はっきり言って、ゲームプレイは別段面白いってほどではない。慣れてくると、つまらなくはない程度。ただ、ゲームプレイをさせる『演出』が上手すぎる。
・とにかく『ちやほや』してくれる。味方も敵も、プレイヤーのことを『エースだ、エースだ』と、とにかく持ち上げてくれるのだ。味方の加勢に行けば「彼が来たのか!それは心強い」とか言ってくれるし、エメリアの救世主みたいにラジオ放送は伝えてくるし、敵も「なんだあの動きは」「どこから撃ってきている!?」みたいに盛り上げるし、敵国が打倒プレイヤーの為にわざわざ自国からエースパイロットを召喚したりもする。とーにかく、持ち上げてくれる。プレイヤーは大したことしてないのに。結構撃墜されてるし、撃墜していないのに。
・それが面白く、テンション上がってついつい続けてしまう。恐ろしく「たらし」なゲーム。一言でいうと『キャバクラ』。大したことしてなくても、みんな「すごーい、すごーい」とちやほやしてくれる。そんなんだから、ついつい、ゲームの止め時を見失う。キャバ嬢とダンスでもしてな!
http://www.youtube.com/watch?v=DgDWAmO0_Ok
http://www.youtube.com/watch?v=RX9Iqn6sads
CMやトレーラームービーを見て、なんか格好いいなとか思ったなら触る価値あり。この物語の中心的存在にゲーム側が勝手にしたててくれます。自分のそ知らぬ所で戦局が動くのではなく、自分が中心みたいな感じで進行する。「ガルーダ(=プレイヤー)のお陰だぜ」「ガルーダがいたから、ここまで来れた」「ガルーダの力で、グレースメリア奪還まであと一歩!」 そんな感じで進みます。プレイヤーをとことん接待してくれる。そこらへんやり過ぎにならないように、プレイヤーがストーリーに直接的に絡まなかったり、決して英雄として持ち上げたりはしないという所で、しっかりと一線を引いてるのは上手いよなぁ。
・こんだけ持ち上げてくるキャバ的幻想は、イコール『天使』みたいな誘惑っぷりで、そこを気に入りこのゲームをプレイしてる奴はまさに『天使とダンス』してるよーなもんだなー、とかいう意味が込められているんじゃないか、という電波を受信しました。つーかそうだと変に皮肉っぽくて面白いんだけどなー。