競馬オタが非オタの彼女に競馬世界を軽く紹介するための10レース

まあ、どのくらいの数の競馬オタがそういう彼女をゲットできるかは別にして、

「オタではまったくないんだが、しかし自分のオタ趣味を肯定的に黙認してくれて、

 その上で全く知らない競馬の世界とはなんなのか、ちょっとだけ好奇心持ってる」

ような、ヲタの都合のいい妄想の中に出てきそうな彼女に、競馬のことを紹介するために

見せるべき10レースを選んでみたいのだけれど。

(要は「脱オタクファッションガイド」の正反対版だな。彼女に競馬を布教するのではなく

 相互のコミュニケーションの入口として)

あくまで「入口」なので、時間的に過大な負担を伴う海外競馬は避けたい。

できれば国内、せめて有名なレースにとどめたい。

あと、いくら競馬的に基礎といっても古びを感じすぎるものは避けたい。

競馬好きが『シンザンの鉈の切れ味は必見』と言っても、それはちょっとさすがになあ、と思う。

そういう感じ。

彼女の設定は

競馬レースはいわゆる「スポーツ番組のダイジェスト」的なものを除けば、有馬記念程度は見ている

サブカル度も低いが、頭はけっこう良い

という条件で。

まずは俺的に。出した順番は実質的には意味がない。

05年:ディープインパクト/若駒S

http://jp.youtube.com/watch?v=o8exWgm7p7s
まあ、いきなりここかよとも思うけれど、「ディープ以前」を濃縮しきっていて、「ディープ以後」を決定づけたという点では

外せないんだよなあ。長さも約2分だし。

ただ、ここでオタトーク全開にしてしまうと、彼女との関係が崩れるかも。

この情報過多な不世出の名馬について、どれだけさらりと、嫌味にならず濃すぎず、それでいて必要最小限の情報を彼女に

伝えられるかということは、オタ側の「真のコミュニケーション能力」の試験としてはいいタスクだろうと思う。

00年:ブロードアピール/根岸S、94年:ヒシアマゾン/クリスタルC

http://jp.youtube.com/watch?v=81muYPyUTp0
http://jp.youtube.com/watch?v=D-pJzEFqwxY
アレって典型的な「競馬オタが考える一般人に受け入れられそうな追い込みのレース(そう競馬オタが思い込んでいるだけ。実際は全然受け入れられない)」そのもの

という意見には半分賛成・半分反対なのだけれど、それを彼女にぶつけて確かめてみるには

一番よさそうな素材なんじゃないのかな。

「競馬オタとしてはこの二つの追い込みは“鬼脚”としていいと思うんだけど、率直に言ってどう?」って。

99年:グラスワンダー/有馬記念

http://jp.youtube.com/watch?v=dq0hXHC3YBg

ある種の競馬オタが持ってる4cmへの憧憬と、オタ的な最強馬考証へのこだわりを

彼女に紹介するという意味ではいいなと思うのと、それに加えていかにも最強馬な

「敗北から立ち上がるださカッコよさ」を体現するグラスワンダー

「王道好みな馬」を体現するスペシャルウィーク

の二頭をはじめとして、オタ好きのする馬をレースにちりばめているのが、紹介してみたい理由。

85年:ジャパンカップ/シンボリルドルフ

http://jp.youtube.com/watch?v=FGfCfXelHWc

たぶんこれを見た彼女は「面白みのないレースだね」と言ってくれるかもしれないが、そこが狙いといえば狙い。

この系譜の血統がその後途絶えそうなこと、これがアメリカ遠征ではボロ負けになったこと、

アメリカで勝ってれば実写テレビドラマになって、それが日本に輸入されてもおかしくはなさそうなのに、

日本内国産馬ではそういう馬が最近まで長らくつくられなかったこと、なんかを非オタ彼女と話してみたいかな、という妄想的願望。

87年:トリプティク/富士S

http://jp.youtube.com/watch?v=qAYuUKHl2T0
「やっぱり追い込み馬はワープのような瞬時の脚だよね」という話になったときに、そこで選ぶのは「タマモクロス金杯

でもいいのだけれど、そこでこっちを選んだのは、このレースにかけるトリプティク陣営の思いが好きだから。

富士Sで圧勝に圧勝を重ねるほど圧勝したのにジャパンカップボロ負け、っていうオチが、どうしても俺の心をつかんでしまうのは、

その「本番ボロ負け」ということへの諦めきれなさがいかにもオタ的だなあと思えてしまうから。

トリプティクの前哨戦圧勝・本番ボロ負けを俺自身は無様とは思わないし、もう潔いだろうとは思うけれど、一方でこれが

ゴドルフィンやオブライエンだったらきっちり本番で勝利してしまうだろうとも思う。

なのに、富士S圧勝でジャパンカップ一番人気なのにボロ負け、というあたり、どうしても

「自分の物語を形作ってきたものが捨てられないオタク」としては、たとえトリプティク陣営の仕上げに問題がなかったとしても、

親近感を禁じ得ない。レース自体の高評価と合わせて、そんなことを彼女に話してみたい。

77年:テンポイント/有馬記念

http://jp.youtube.com/watch?v=AtMxnw_iir0
今の若年層でTTG見たことのある人はそんなにいないと思うのだけれど、だから紹介してみたい。

平成三強よりも前の段階で、三頭の名馬対決という哲学とかレース技法とかはこの競争で頂点に達していたとも言えて、

こういうクオリティのレースが有馬記念でこの時代に行われていたんだよ、というのは、

別に俺自身がなんらそこに貢献してなくとも、なんとなく競馬好きとしては不思議に誇らしいし、

いわゆる山田雅人でしかテンポイントを知らない彼女には見せてあげたいなと思う。

93年:エルカーサリバー/金杯・西

(って動画みつからねー!昔のサラブレDVDとかに載ってました。おのおので購入して下さい)

写真判定の「厳しさ」あるいは「ドキドキ感」をオタとして教えたい、というお節介焼きから見せる、ということではなくて。

「もしかすると大穴が来るかも」的な感覚が競馬オタには共通してあるのかなということを感じていて、

だからこそこの年の『金杯・西』の結果はたとえ大混戦でも1・2番人気決着以外ではあり得なかったとも思う。

「大穴狙いで土日を生きる」という競馬オタの感覚が今日さらに強まっているとするなら、その「オタクの気分」の

源はエルカーサリバーにあったんじゃないか、という、そんな理屈はかけらも口にせずに、

単純に楽しんでもらえるかどうかを見てみたい。

98年:リアルヴィジョン/未勝利戦

http://jp.youtube.com/watch?v=1o7z_4cNz6w
これは地雷だよなあ。地雷が火を噴くか否か、そこのスリルを味わってみたいなあ。

こういう端から見ればたかだかの下級条件レースに興奮する気持ち、それが非オタに受け入れられるか

気持ち悪さを誘発するか、というのを見てみたい。

08年:ディープスカイ/日本ダービー

http://jp.youtube.com/watch?v=4cPxxbJzQaY

9本まではあっさり決まったんだけど10本目は空白でもいいかな、などと思いつつ、便宜的に今年のダービー馬を選んだ。

インパクトから始まってスカイで終わるのもそれなりに収まりはいいだろうし、2008年以降の競馬を引っ張っていく

存在でもあるだろうし、紹介する価値はあるのだろうけど、もっと他にいいレースがありそうな気もする。

というわけで、俺のこういう意図にそって、もっといい10本目はこんなのどうよ、というのがあったら

教えてください。



元ネタ:http://anond.hatelabo.jp/20080721222220
グラスのところはブライアンの阪神大賞典、ルドルフのところは(ちょっと改変して)クロフネJCダートとかに置き換えてもいいかも。