昨日書いた「よつばと!」の件の続き

もっと重要なことが分かった。
この作品って、モノローグが無いんですね。よくあるホニャホニャっとした吹き出しに書かれる「思ってること」とか、台詞とは別に書かれる「心の声」とか「思考」とかが、一切無い。
全部を検証したワケじゃないのでアレですけど、発した言葉でもなく、何かの擬音でもないものは、殆ど無い。せいぜい「!」とか「?」とか、よっぽどでも「しょんぼり」みたいな思考や内なる声とはとても言えない単純なものだけ(「しょんぼり」レベルでも滅多にないけど)。
これって意外と、本当に凄いですね。
例えば2巻「ケーキ」のトコで、あさぎがよつばのケーキのイチゴを奪い取った時の絵と言葉。キャラクターの心の声なんて一つも記してないのに、キャラクターが何を感じて・思っているのかが、もの凄くよく分かるんですよ。見ただけで。勿論これは、よつばだけじゃなくてあさぎもです。どちらがどう思っているのかも、分かれてしまう。
その中でも特筆モノなのが5巻の「はれ」(海に行く話)。あそこの、「海行かね」と決めたとーちゃんが、「海行くかー」と考えを変える所の描写。一言も、一瞬も、何を考えているかなんて描写は無いのに、何故ここでとーちゃんは海に行くという考えに改めたのか、それが思いっきり分かってしまう。思いっきり描写されている。
これがあれっすねー、昨日書いた認識疑似体験に繋がるんじゃないかなーと思うんです。