空を見上げる少女の瞳に映る世界 第2話 だいいちいんしょー

ああ、なんというか、これ好きです。
MUNTOは、古臭いとかストレートすぎるとか……具体的に言うと、ユメミがなぜ「あっちの世界」を見れるのかということの説明と、アクトの説明(「『お前の』望むところに進む力」)とか、スズメとカズヤくんの話とか、それに絡んで今回の中盤でユメミがお母さんと話した「責任」とかのその辺とか、ユメミのムントに対する反応――幻覚だとか分かんないだとか――つまりはまあ、アクトの説明に終結できますね。「『お前の』望むところに進む力」。こんなものをメインにぐるっと回すなんてさすがに古臭いタイプのビルドゥングスじみた形態に思われるかもしれませんが、いやもう、MUNTOが素晴らしいのはですね、それをマジ・ガチで行うからです。めちゃくちゃストレートです。直球一本やりです。奇跡だのなんだの不思議な力だのなんだのというしょっぱい解決はございません。あー……こんな風に書くとまるで来週のネタバレみたいですが、おぼろげな(OVAの)記憶で、しかもめっちゃ解釈的ボカシを入れて書いてるので、多分大丈夫です。もう一度言いましょう。MUNTOは古臭いと思われるかもしれませんが、それをマジのガチの直球ストレートで完全に向かい合ってるからこそ、良いのです。
「ムントの問題」と「ユメミの問題」と「スズメ・カズヤの問題」がリンクしている(相似的・相同的)ということはお気づきだと思いますが、来週はそれらと直球で(つまり「現実的に」)ぶち当たってくれます……たしか。たぶん。てゆうかわたし、さっきからネタバレすれすれを書いてるような気がするんですが大丈夫でしょうかw
とりあえず今週に関しては、以上の点と、ユメミが弟のゲームを勝手に消した”けれども”、それはもうすぐお前の見たいアニメが放映するからだ、という部分に注目ですね。もちろん、この直前でユメミからすればもはや理不尽な「責任」についての会話が行われたことと並べて、です。

ええ、あの「責任」は理不尽なんですよ。何の説明にもなっていない。ただこれは、それで正しくて、何の説明にもなっていなくて良いのです。象徴的秩序ですから、むしろ説明できてしまった方が(それを崩すような反論可能な為)よろしくない。――その暴虐な理不尽性を、無理矢理押し付けられた(ご覧のとおり、「責任」どうこうを言ってるお母さんですら、その理屈を分かって言っているのではなく、謂わば社会(秩序)の「受け売り」を言っているにすぎません)ユメミが、その暴虐な理不尽性――ある意味ここでは、「責任」から連なる「大人の象徴」となっているでしょう――を、自分より子供な弟に対して、「ゲームを勝手に消す」という行動で振りかざすのです(あれを、父が言ったのではなく「母が言った」というのも、ユメミがこうした理由に加算されるでしょう)。
けれども、ここで重要なのは、ゲームを消したのは「弟の見たいアニメがもうすぐ放映するから」という理由――あるいは言い訳を付けたところ。ああ、これはもう素晴らしいですよ。大人の象徴をそれ自体ではなく別のものに転化して行使することに躊躇ったのです。つまり、「こんなことをしていてはダメで、何の解決にもならなくて、ちゃんと向き合わなければならない」ということを分かっているのです。だからMUNTOは素晴らしいのですよ。直球ストレートなのですよ。その直球ストレートは来週見せてくれるのですよ(たぶん)。ということで、おわりー。